2024.08.31
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雨が降ると分かっていたら、傘なんて持ってこなかったのに
「雨が降ると分かっていたら、傘なんて持ってこなかったのに」 夢の内容はすっかりと忘れてしまったが、誰かがそんなことをぼやいていた。亀の歩みの如くゆっくりと進む台風10号の影響で、空は朝からずっと気だるそうな顔している。窓には雨粒がいくつかついているが、今はどうやら泣き止んだようだ。コーヒー豆が切れて […]
2024.08.31
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「雨が降ると分かっていたら、傘なんて持ってこなかったのに」 夢の内容はすっかりと忘れてしまったが、誰かがそんなことをぼやいていた。亀の歩みの如くゆっくりと進む台風10号の影響で、空は朝からずっと気だるそうな顔している。窓には雨粒がいくつかついているが、今はどうやら泣き止んだようだ。コーヒー豆が切れて […]
2024.08.18
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このブログのような何かを始めてから(正確な日付は把握していないが)結構な年月が経ったと思う。完全に私的な日記というわけでもなく、インターネットに漂う匿名の誰かが見ているかもしれないという前提の上で投稿を行ってきた。投稿先は今日びたくさんある。Instagram、Twitter、その他諸々。だのに此処 […]
2024.08.11
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ザトウムシは、なるほどその名の通り、盲目の座頭が杖をつき慎重に歩くような素振りで一足一足踏み先を確かめながらゆらゆらと歩いていた。道先に指先を置くと、その大きな脚二本を使って優しく指に触れ、違和感を覚えたのか行く先を指のない方へと変え、またゆらゆらと歩き始めた。蜘蛛に似ているがそれは蜘蛛ではなく、単 […]
2024.08.05
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宿の部屋に備え付けられた(部屋の狭さを誤魔化すための)鏡張りの棚には無個性なコーヒーカップが2個、伏せ置かれている。下の棚には湯沸かし器。肝心のコーヒーはどこにも見当たらない。道中コンビニに立ち寄って購入したアイスコーヒーをカップに注いで飲む。窓からは足の踏み場のない自室のように、地面を余すことなく […]
2024.07.15
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久しぶりにまたコロナを患い、今回は味覚障害と嗅覚障害の後遺症というおまけつきだった。コロナのしんどさには慣れたつもりだったが、この後遺症は、さらりと通り過ぎるにはあまりに重く、日々の生活に深く不快な根をおろした。自分から少し遠ざかってしまったようなこの感覚。自分に拒絶され、自分をうまく扱えず、ずっと […]
2024.06.15
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金沢駅西口の広場で、彼の到着を待った。コロナ禍になってから一度も顔を合わせていないから、もう5年以上彼とは会っていないことになる。自分では分からないところで、彼から見たときの僕が変わってしまったと思われたら嫌だなとか、僕が知っている彼とは違う彼になってしまっていたら嫌だなとか、そんな自分本意な悩みを […]
2024.06.11
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あの時々の一瞬の連なりが僕の礎となっている。漂泊する魂は切り取られた記憶の辺にて、生き直しの時を待つ。わかるだろうか。わかってくれるだろうか。この寂寞の想いを。庭に咲いていた花菖蒲を嬉々として摘み、そしてその後どうしたんだったか。二階の窓から屋根に出て、日差しで温まった瓦の上に横になったときのあの感 […]
2024.06.05
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母からメッセージが届いた。近い将来、目が見えなくなるかもしれないと。薄々分かっていた。真っ先に湧いてきたのは、僕が見えなくなってしまうことへの、僕自身の悲しさだった。この期に及んで自分のことか、とつくづく情けなくなる。なんて返せばいいのか。なんて声を掛けたらいいのか。沢山の言葉が頭を駆け抜け、そして […]
2024.04.28
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道具を一つ一つ手に取り、秤のうえにのせて重さを量る。UL(ウルトラライト)を志向する人にとってはごく当たり前の光景だ。前回道具の計量をしてから随分と年月が経ち、その間に道具の顔ぶれも随分と変わったので、このお休みの間に腰を据えて量り直そうと決心したのだった。念の為、前回量った道具についても再計量を行 […]
2024.04.21
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荷物部屋(兼 撮影部屋)を少しだけ片付けて、撮影ができるようにした。いい加減引っ越したときのまま荷解きをしていない段ボールたちをなんとかせねば。もう、そのまま捨てちゃってもいいだろう。最近ちょこちょことnotionを触ってみている。プライベートなDBといったかんじ。昔触ったときはDBの概念なんてなか […]
2024.03.23
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幼少の頃に住んでいた場所、通り慣れたいつもの道を、記憶の中で何度も何度も繰り返しなぞってみる。ここには銭湯があって、銭湯の迫り出した外壁の下を屈みながら歩いたなとか、公園で友達と泥だらけになって遊び、その後みんなで僕の家に入ろうとしたら母親に怒られて全員で銭湯に行ったなとか、そういうことを思い出す。 […]
2024.03.07
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自己肯定感。自己効力感。イマイチしっくりとこない。そんなものは求めていない。不要だ。僕が求めてやまないのはどちらかというと自己解像感というべきだろうか。自分探しとかそういった類のものではない。在るようにしてある自分をただ認識していたいという欲求だ。自己の感情に因われるのではなく、自己の感情を捉えたい […]
2024.02.23
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不意に「石の寿命ってどれくらいだろう?」という疑問が頭に浮かぶ。石に寿命なんて変な話だ。石は無機物で鉱物だから、そもそも命を持たない。ゆえに寿命などあるはずもないが、それでもなお食い下がり、石の寿命ってどれくらいだろう?と考える。人は死ねば朽ちて消えるが、太古に居た生き物たちの一部は石に姿を変え、今 […]
2024.01.04
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クロノトリガーの「Corridors of time(時の回廊)」をひたすら繰り返し聴いている。回廊か。時を取り囲むようにして回廊があるとするなら、その時は現在を指すのだろうか。過去か。未来か。あるいは全ての時間が並列に存在する空間自体を取り囲んでいるのだろうか。そうだろうな。きっとそうだろう。あれ […]
2024.01.02
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地震が起きた翌日1/2の12時頃。煙草を買いにコンビニに行く。近所のセブンは開いておらず、普段行かないところまで足を伸ばす。道路を車で走りながらあたりを見回す。これが三が日特有の静けさなのか、震災直後の静けさなのか、僕には判断がつかない。たまたま開いていたファミマに立ち寄る。お目当ての銘柄の在庫があ […]
2023.12.24
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ロブスターとアイスクリン。ロブスターは理論上寿命が無いし、アイスクリンも理論上消費期限が無い。けれど、ロブスターはいずれ捕食されるか不慮の事故で死を迎えるし、アイスクリンも誰かに食べられるか保冷できなければ、かつてアイスクリンだった液体へと姿を変える。想像力を働かせる。地図にものっていない無人島に、 […]
2023.12.17
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正しさ語るとき、そこに自ずと間違いを生み出してしまう自我。数限りなくある間違いの中にきらり光る美しさ見出していたいと思う誓い。悔いも痛みも辛さも苦しみも燃料だ。それを限界まで圧縮し火をつけ燃やし進むための動力に変えることを、そうやすやすと手放したくはないな。巡る気候、思考、即効性なく泣く泣く手放した […]
2023.12.10
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サファイアとスティールが解決しにやってきた問題は、いつものとおり時間の使い方にかかわるものである。そのガソリンスタンドでは、時間が過去の時代から滲み出しているのだ。<中略>この最後の任務においては、そうしたアナクロニズムは均衡状態へといたっている。つまり、時間が止まってしまうのである。ガソリンスタン […]
2023.11.19
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朝起きて時計を見る。今は朝の10時で、今日は祝日だ。しかし、何かが足りなかった。顔を洗い、買い物に出かける。昨晩用意した買い物メモはしっかりとコートのポケットに入っている。買い物メモ通りに買い物を行い、店を出る。しかし、何かが足りなかった。先程まで降っていた雨も今は止み、車のフロントガラスには光の粒 […]
2023.11.19
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