2024.08.31

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雨が降ると分かっていたら、傘なんて持ってこなかったのに

「雨が降ると分かっていたら、傘なんて持ってこなかったのに」 夢の内容はすっかりと忘れてしまったが、誰かがそんなことをぼやいていた。亀の歩みの如くゆっくりと進む台風10号の影響で、空は朝からずっと気だるそうな顔している。窓には雨粒がいくつかついているが、今はどうやら泣き止んだようだ。コーヒー豆が切れて […]

2024.08.05

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ボルヘス、オリンピックINN、TOKYO

宿の部屋に備え付けられた(部屋の狭さを誤魔化すための)鏡張りの棚には無個性なコーヒーカップが2個、伏せ置かれている。下の棚には湯沸かし器。肝心のコーヒーはどこにも見当たらない。道中コンビニに立ち寄って購入したアイスコーヒーをカップに注いで飲む。窓からは足の踏み場のない自室のように、地面を余すことなく […]

2023.12.24

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ロブスターとアイスクリン

ロブスターとアイスクリン。ロブスターは理論上寿命が無いし、アイスクリンも理論上消費期限が無い。けれど、ロブスターはいずれ捕食されるか不慮の事故で死を迎えるし、アイスクリンも誰かに食べられるか保冷できなければ、かつてアイスクリンだった液体へと姿を変える。想像力を働かせる。地図にものっていない無人島に、 […]

2023.12.10

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ガソリンスタンド

サファイアとスティールが解決しにやってきた問題は、いつものとおり時間の使い方にかかわるものである。そのガソリンスタンドでは、時間が過去の時代から滲み出しているのだ。<中略>この最後の任務においては、そうしたアナクロニズムは均衡状態へといたっている。つまり、時間が止まってしまうのである。ガソリンスタン […]

2023.11.19

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足りなさについての考察

朝起きて時計を見る。今は朝の10時で、今日は祝日だ。しかし、何かが足りなかった。顔を洗い、買い物に出かける。昨晩用意した買い物メモはしっかりとコートのポケットに入っている。買い物メモ通りに買い物を行い、店を出る。しかし、何かが足りなかった。先程まで降っていた雨も今は止み、車のフロントガラスには光の粒 […]

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