ブルーマンデー

特に何もすることがない日曜日。起き抜けに僕は僕に話しかける。
「今日は何をしようか?」
僕はずっと黙ったまま、目だけが天井の方をじっと見つめている。
「とりあえず、煙草を買いに行く?」
僕はしようがなさそうな顔をして、少し間をあけてゆっくりと頷く。外は快晴で太陽が眩しかった。けれど夏の日差しのような、肌を焼く不快感は無く、ただただスカッと晴れ渡っていた。
「今日はどっちにする?122番か123番か」
僕は少し迷って122番を指さした。コンビニの店員さんも「はいはい」といった慣れた手つきで棚から煙草を抜き取り、レジ台に置く。僕も慣れた手つきでアップルウォッチをかざし、決済を済ませて店を出た。
「このあと何をしようか?」
僕はあまり気乗りがしないらしく、口を小さく尖らせて、やっぱり上の方をじっと見つめながら、沈黙を目で追いかけていた。その気持ちの内訳はよく分かっていた。今日はせっかくの晴れた日曜日だけど、明日はあいにくのブルーマンデーだ。無理もなかった。
「気持ちの良い風だね」と僕に語りかける。僕は不服そうに、けれど、どこか嬉しそうに小さく笑った。
「ダラダラ映画でも観ようか」と僕。
「そうしようか。あ、ポテチあったっけ」と僕。
今日はせっかくの晴れた日曜日で。明日はあいにくのブルーマンデーで。空はやっぱりどこまでも晴れ渡っていた。

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