UPDATED *2017.06.05*
/ 2017.01.15 /
outdoor /
戸室山ハイク 気狂いピエロとの遭遇
新年最初の3連休中日。
コーヒーを飲みながら、机に置かれていた【石川/ふるさと100山】に目を通す。この本には石川の山々の情報が丁寧に、かつ詳細に書かれている。その中からたまたま目に止まった「戸室山」に、ギアのテストも兼ねて登ってみようと思いつく。場所も医王山付近なので車で30分程度で行くことができ、高さも500mと、しばらく登っていなかった自分にはリハビリにピッタリだった。
◇ ◇ ◇
今回テストしたいギアは以下の通り。
- ザック(山と道 mini2 / 山と道)
- インナーダウン(ライトヒートジャケット / THE NORTH FACE)
- ソフトシェル(フーディニジャケット / patagonia)
- ハイキングパンツ(M’s Action Twill Pants / HOUDINI)
- トレッキングシューズ(XA PRO 3D GTX / SALOMON)
全体的にUL寄りの構成になっているのには意味があり、今年の夏の計画に向けた準備である。
◇ ◇ ◇
戸室山はいくつかの登り口があるのだが、今回は手軽さを重視し医王山寺側から登ることにした。医王山スキー場前の駐車場に車を停め、支度を行う。スキー場はまだまだ開業するには雪が少なく(というより無い)、スタッフの人達がリフトのメンテナンスを行っていた。熊出没の看板が立っているのを見て、熊鈴を持ってこなかったことを思い出す。

目前の心臓破りの階段を前に、若干怯む。本当であれば簡単な防寒具だけで装備は事足りるのだが、今回はギアのテストも兼ねているので、ザックには7kgほど荷物が詰まっていた。よりによって初っ端がこれか…とため息をつきながらも一段一段登っていく。
「この時期に戸室山に登るような人はいないだろう」と思っていたが爽やかな黄色のウェアを着たおばあちゃんとすれ違う。軽く会釈をし、カランカランと熊鈴を鳴らしながら階段をゆっくりと下りていった。

現在時刻は15時。天候が少しずつ怪しくなってくる。予報では15時頃から雪が降るらしい。フーディニジャケットは撥水加工がされているので、少々の雪程度であれば行動ができる。とはいえ、一応レインウエアを取り出しやすい位置に移動させる。

道中、登山道を横切るように無数の獣道が通っている。ちらほらと小動物の糞も落ちており、動物の気配を感じながら道を進む。熊の足跡や糞を見かけたら、すぐに引き返そうと心に決める。出会ってしまったらもうどうしようもないが、予防として念のためにiPhoneでラジオをつける。山下達郎のサンデーソングブックがスピーカーから聞こえ始めると、人の話し声に緊張していた心が少しだけ安らぐ。

15分程度で山頂につく。(※帰宅してから三角点がもう少し先にあることを知る)
山頂には熊よけの缶が吊るしてあり、どうやらこれを打ちつけて音を鳴らすことで熊に存在を知らせるらしい。それでは、と缶を数回打ちつけてみると、周囲の草むらでガサガサという音が。いよいよテンションが下がりはじめる。気休めに一服してみるも、手がプルプルと震えている。昨晩に観た「レヴェナント」のヒグマに襲われるシーンが脳裏に浮かぶ。

気配を感じ、後ろを振り返ってみると、奇妙な像が立っていることに気が付き、心臓が口から飛び出しそうになる。ここに立っていた木を利用して作られたものらしいが、どうみても不気味だ。よく見てみると、木の一部をくり抜いて仏像が置かれている…が、どうみても不気味だ。これを作った人には、この像が神聖なものに見えたのだろうか?僕には“気狂いピエロ”にしか見えなかった。

雪が少しだがチラつきはじめたので早々に荷物をしまい、下山の支度を整える。山と道 mini2 に取り付けられている大きめのメッシュポケットは、ざざっと物をつっこんで手っ取り早く荷物をまとめたいときに非常に便利だ。メッシュポケットの開口部には独自の機構が採用されており、赤のリボンを引っ張るだけでガバッとメッシュポケットが開くので、荷物を入れる際にとてもに使いやすい。

土が水気を含んで粘土質になっており、途中足をとられ転けそうになる。いつも下りで足を痛めるので、慎重に下山する。

人工物があるところまで下りてくると、人の気配に心底ホッとする。結局、最初にすれ違ったおばあちゃん以外に誰とも出会うことはなかった。ソロを楽しめるというのがマイナーな低山の良さでもあり、何かあったときはリスクになるな、と実感する。

駐車場に停めた車に乗りこみ、帰路につく。次に登る頃には本格的に雪も振っているだろうから、また違った装備を試してみたいと思う。石川県には多くの低山があり、一年を通して様々な登山を楽しめる。今年は低山も積極的に登っていこうと考えている。低山はピークハントが目的にはなりえないので、必然的に道中を楽しむことに重点を置くことになる。
この経験をつむことで、より一層山登りを楽しむセンスが身につけばいいな。