脚立と本棚

本屋さんに行くと、かならず全コーナーをくまなく見て回るのが僕の日課だ。手に取りやすい新刊コーナーはもちろんのこと、誰も手に取らないようなところに陳列されている本までまんべんなく見て回る。僕が普段通っている本屋は棚の高さが2m以上あり、一番上の棚の本を手に取る際は脚立を使うことになる。脚立に手をかけて登り、数ヶ月あるいは数年誰も手にとっていないであろう本を手に取りページを捲るとき、まるで宝探しをしているかのような気分を味わうことができる。

だからだろうか。いつしか脚立そのものに興味を持つようになった。今回、自室の本棚をさらに活用するために脚立を購入することにした。最近ではインテリアとしての脚立も多く出回っており色や形状も様々あるが、とりわけ僕はベーシックなアルミ製の物が好みだ。

届いた脚立をいざ設置してみると、脚立は脚立として使う意外にも様々な用途で使うことができる便利な家具だということが分かった。一番上の踏み台は椅子として使えるし、物置き棚としても使うことができる。折りたためばコンパクトに収納することもできるが、僕はこの脚立の佇まいがとても好きなので開いた状態で常に置いておくことにきめた。脚立の真下がデッドスペースになるので、踏み台の裏にLEDライトをつけ、間接照明としても使えるようにした。

脚立と本棚がある風景は、まるで自分の部屋に本屋さんが併設されたようで、夢のような光景だ。

Index
Prev
Next