戸室山ハイク 雪山編 その2

誰もいない雪山を歩くのがこんなにも気持ちいいとは、想像もしていなかった。
静寂の中に一人、雪を踏みしめる音だけがきこえてくる。
葉を落とした木々と真っ白な雪で埋め尽くされた世界を歩いていると、
まるで水墨画の中に迷い込んだような気分になる。

山頂につくと、以前目線ぐらいにあった熊払いの空き缶が
随分と低い位置まできていることに驚く。

ザックを下ろし、担々麺用のお湯を作る。
水は持参していたが、雪からお湯を作ることにする。
エネルギーの無駄遣いだな…と頭の片隅で思いつつも、
僕の中の少年心はすっかり舞い上がっていた。

雪の中で啜る担々麺は美味い。
スープを最後の一滴まで飲み干す。

天気が崩れそうな雲行きになってきたので、
早々に荷物を片付けて下山開始。

あんなにしんどかった登りが嘘のように、下りの足取りは軽やかだった。
普段であれば、足を痛めないように体重移動や足配りに相当気を使うのだが、
雪の上では全く関係がない。
奇妙な雄叫びをあげながら、飛び跳ねて雪の斜面を下る。

もともとそんなに高い山ではないので、15分程度で登山口に到着。
大きな除雪車が2台、駐車場の雪を片付けていた。
道具を車に積み込み、一服していると雪がちらつきはじめる。

車を運転し始めるころには吹雪となり、空も一気に暗くなっていった。
あと少し帰るタイミングが遅ければ、
この吹雪のなか下山するハメになっていたかと思うとゾッとする。

次は戸室山の向かいにある、キゴ山に登ろうと思っている。

冬の高山は技術的にも装備的にもとても敷居が高いが、
冬の低山は雪山を楽しむのに非常に最適だとあらためて感じた。

雪山の経験値は0に限りなく近いので、
山に春が訪れるまでの数ヶ月、目一杯楽しみたいと思う。