ジャム・オンザ・ホットケーキ

朝は全ての物事が鈍く、夜は全ての物事が鋭すぎる。残り物のホットケーキにありったけのいちごジャムをのせて口に頬張る。電話はなんの前触れもなく自分の時間に割り入ってくるから嫌いだ。その癖ごめんのひとつも言いやしない。Troye Sivanの新譜をspotifyで聴きながら、Discordのボイスチャットに参加する。他愛もない話が左耳から頭へと入り、特に像を結ぶことなく右耳から外へと出ていく。昨晩夢中に読んだはずの『ホムンクルス』の結末が上手く思い出せない。Apple Watchが心拍数の上昇をしきりに訴えてくる。気持ち良くお酒を飲んでるんだ。ほっておいてくれ。ほんのり酩酊状態の僕はふらふらとベッドに倒れ込む。体がゆっくりとマットレスに沈み込み、強烈な眠気に襲われる。抗いようのない眠気だ。いつだって眠気に勝てたことはない。いつだってそうだ。天井に走る梁の木目を数えながら、夜に観る映画は何にしようかと考える。とびっきりに他愛もないやつが良いな。とびっきりに他愛もないやつが。