医王山ハイク 夏の兆しと鳶尾根

朝6時。医王山ビジターセンターへと到着する。

車の数を数えると片手に収まる程度の車しか停まっておらず、
数人のハイカーが朝食をつまみながら準備運動をしている。

早朝、新聞配達の音で不意に目が覚めてしまい
そこから眠ることができなかったので、半ば衝動的にここまできてしまった。

石川県民にとって、とても馴染み深い山「医王山」。
僕自身、医王山に登るのはこれで4回目ぐらいである。

整備された砂利道をゆっくりと歩き始める。
天気は快晴。
真夏の様な日差しが、空から降り注いでいる。 

ところどころ岩壁が崩落しており、
野性味溢れるその佇まいに圧倒される。


30分ほど歩くと、大池平に辿り着く。

大沼を取り囲むようにして散策路と休憩所があり、
数名の登山客が木陰で涼んでいた。

大沼からはその正面に鳶岩を望むことができ、
絶好の撮影ポイントとなっている。
この規模の池(沼?)はここらへんの低山には珍しく、
医王山の目玉の一つと言っても過言ではないと思う。

大沼の脇を下っていくと、すぐに三蛇ヶ滝へと辿り着く。

滝付近にはコバイケイソウがところどころ生えており、
とても瑞々しく葉を輝かせていた。

この山を登っているときはあまり感じなかったが、
あとあと様々な低山を登ってみて、ここまで変化に富んだ低山は
そうそう無いなと強く実感した。

多種多様な植物と豊富な水場。
熊が好んで住み着くのも頷ける。
僕がもし熊だったら、子育てにこういう場所を選ぶだろうなと思った。

しばらく滝のそばで涼んだのち、
一旦大池平へと戻り、鳶尾根へと向かう。

道中、藤の花がぽつぽつと咲いていた。
荒々しく生い茂った木々の隙間を縫うように咲く藤の花には
手入れの行き届いた藤棚にはない魅力があった。

なかなかにエグい急登を登りきると、
見晴らし抜群の鳶尾根に出る。
視界の下にはさきほど休憩していた大沼を覗き見ることができる。

呼吸をととのえ、
鳶岩まで行くか白兀山まで一気に行ってしまうか迷っていると
携帯に着信。

妻からの電話だった。

朝早くに家を出て行ったことに気付いたらしく、
気になって連絡してきたようだった。

妻にきちんと伝えていなかったことを思い出し、
なんとなくバツが悪くなってきたので登頂を諦め下山することに。

下りはあっという間で、行きの半分くらいの時間で
ビジターセンタへと戻ってくることができた。

朝、登り始めるときには数台しか停まっていなかった駐車場も
いつのまにかほぼ満車になっており、
あらためて医王山の人気度合いに気付かされる。

この日、水場が豊富にあると慢心し、
鳶尾根あたりでほとんどの水を飲み尽くしてしまっていた。

気温も高く真夏のような天気だったので、
ともすると熱中症になっていたかもしれない。

帰りの運転中、独り反省会をしながら家路に着いた。