/ 2023.06.28 /
3-6 /
FF16雑感
最近ゲームが楽しい。
Diablo4を無事クリアしたし、今はFF16を購入し取り憑かれたようにプレイしている。コンシューマ版のFFは12以来(FF14プレイした)なので本当に久しぶりで、FF13,15はプレイしていない(プレイする気も起きなかった)のに、なんでFF16はこんなにトレーラー発表時点で自分に刺さったのだろう…と、ぼんやり考えていたので、本文はその覚書。
トレーラー時点で「おっ」となったポイントは、主人公が復讐を動機としているある種ダークヒーロー的ポジションだったこと。そして、主人公が召喚獣(大好きなイフリート!)に顕現するということ。素直に「かっけぇ・・・」と鳥肌がたったことを覚えている。そしてその上で現在、おそらくストーリーを全体の半分くらいプレイした現時点で感じていることや考えていることも残しておきたい。まず、前提として手放しで最高だと言い切れるほど楽しい。僕が知っているアクティブタイムバトルのFFはもういない。影も形も無くなっていた。けれど、これはFFだと強く感じている。FFはシリーズを通して、ストーリー・システムに関わってくる大事なキーワードがいくつかある。その中でも本作は「クリスタル」「魔法」について大きく掘り下げつつも丁寧に再構築をしているなと感じた。FF16の世界ではクリスタルがエネルギー(電気・水・火など)供給源で、クリスタルを使わないと生活ができないほどクリスタルに依存した世界として描かれており、このエネルギーを魔法と呼んでいる。つまり、クリスタルを用いて魔法を使いながら日常生活をおくっているということになる。そして、このクリスタルは消耗品であり、世界中に供給されているクリスタルはマザークリスタルといわれる山ほどのサイズがある巨大なクリスタルの塊から採掘し、流通している。これは言ってしまえば地球でいう化石燃料みたいなものだと理解している。この当たり前から大きく外れた存在が、生まれながらにしてクリスタル無しで魔法が使える(エネルギーが生み出せる)人間の存在だ。この人間はべアラーと呼ばれ、この世界では差別の対象であり、奴隷として人身売買され、人間燃料のように扱われている。どういう温度感なのかを伝えるために一例を挙げると、子供がベアラーだと知った両親は、率先して政府にベアラーの子を提出し、両親揃って「うちからベアラーが出るなんて最悪。これで一安心だ。」と言うような世界である。(我が子への愛情よりも恐怖と嫌悪が勝ってしまうというところに、ベアラーという存在がどう扱われているかが端的に現れている)。そして、ベアラー自身も無尽蔵に魔法が使えるわけではなく、その代償として魔法を使えば使うほどに体が石化していき、やがて全身が石となって死んでしまう。さきほど人間燃料と言ったのはそういうことで、奴隷として散々魔法を使わされた挙げ句、石化したらゴミのように捨てられる。ゲームをプレイしていると、街のいたるところでベアラーへの差別が見受けられ、これがなかなかにキツイ。さらに、クリスタルの消費についても代償が存在している。先程クリスタルが有限であることをわかりやすくするためにマザークリスタルは化石燃料に似ていると例えたが、化石燃料と若干異なりつつ本作でとても重要なのは、このマザークリスタルは大地のエネルギーを取り込みながらクリスタルを産んでいるということだ。つまり、マザークリスタルからクリスタルを取れば取るほど大地から生気が失われ、生命が全く存在しない土地(本作では「黒の一帯」と呼ばれる)へと変貌してしまう。ここまで挙げてきたものたちは、全て現実世界におけるあれやこれやのメタファーであると解釈している。今までFFシリーズで当たり前に扱っていた各要素を、上手く現実世界における諸問題と紐づけつつも、本作の世界観の構築や説得力を持たせることに見事成功しているなと感じた。
さすがに書いていて長くなってきた。他にも唸るポイントが沢山あるけれど、ここらへんにしてFFの世界に戻りたいと思う。