/ 2016.12.15 /
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メモランダム
長谷部千彩の『メモランダム』を読了した。
最近はロングハイクや冒険を取り扱った本ばかりを読んでいたので、
この本で描かれている人間(特に女性)の生っぽさみたいなものがとても新鮮で、心地良かった。
心からの共感、あるいは吐き気を覚えるほどの嫌悪感。
この本を読んだ人の心は、恐らくそのどちらかに傾くだろうな、と思う。
長谷部千彩が書く女性のロングトレイル物を読んでみたい。
そんなことを終始考えながらこの小説を読んでいた。
近頃、強く思うのです。
行ってみたいと思う場所は行くべき場所であり、
会ってみたいと思う人は会うべき人なのではないか、と。
行ったところで、会ったところで、
それが何の意味をなさないとしても
彼女が冒頭で綴ったこの一文は、
旅に焦がれた人間の抑えることのできない衝動そのものだと、
僕は思うのである。