姿勢

ベッドに横になりながら本を読む。仰向けになり、本を持った腕を天に向かって突き上げる姿勢で読んでいる。だんだんと指先の血の気が引き、ページを捲る動作が鈍くなる。これは良くないと思い、今度は横向きになってみるが、どうもしっくりこない。諦めてベッドから起き上がることにした。去年の12月10日に注文したPuma Blueの『In Praise Of Shadows』が未だ手元に届かない。アマゾンの注文履歴では2023年1月2日までにお届け予定となっているが…。そもそもアマゾンで頼んだものがたったの数日で手元に届くことが当たり前になってしまっている自分の狭量さにも問題がある。最近はyoutubeでMCU(KICK THE CAN CREW)のレトロゲーム紹介動画と木村信也のカスタムバイク制作動画をみている。どちらの動画にも共通して言えるのは対象物に対して最上級の愛を感じること。愛を持って語る人の言葉には人を惹き付ける不思議な魅力がある。と、僕は感じている。MCUがMcGuffinのインタビュー動画の中で「目の届かないところに置いてあるのは嫌なんです。自分の目が届く範囲に収めておきたい」と語っていて、似たような部屋をしている僕は首を激しく縦に振った。木村信也が自身のドキュメンタリ動画の中で「道具は必ず自分にあわせてカスタムする。そのうえで機能を一つや二つ加えて使いやすいようにする」と語っていて、これまた同様に僕は首を激しく縦に振った。もっと色んな人の自分語りを聞いたり見たり読んだりしたいと思う(そのせいか、最近購入する本は日記をまとめたものが多い)。多少美化されていたっていいし、劇的なことが何一つ起こらない地味なものでも全然構わない。目配せや忖度のない、自分に対して語る貴方の独白に僕は飢えている。

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