秋、越えられない壁。

朝起きて、二度寝しようか少し迷って、布団から這い出る。昨日の大雨とは打って変わって秋の晴れ間。窓という窓を開け放ち、風を招き入れる。秋のひんやりとした空気は、冬のそれよりも優しくて、夏のそれよりも儚い。空に仁王立ちしていた夏の雲は姿を消し、今は頭上を足早に雲たちが駆け抜けていく。そういえば、もう10月も終わりで、11月が顔をのぞかせ、つまりは冬だ。季節に置いていかれることはあるけれど、季節を追い抜くことはないんだよなと。昨日作ったスープを温めながら、目をこする。

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