FLUFFY(S) / discord Yohji Yamamoto

ヴィム・ヴェンダースの「都市とモードのビデオノート」を観た。山本耀司のドキュメンタリ。1989年の作品なので今よりもずっと若く、エッジが立ち、静謐さよりも反骨精神が全身から溢れ出ている山本耀司がそこにいた。映画の内容は割愛するが、インタビューの中で山本耀司が語った「未完成なもの、非対称なものに魅力を感じる」という台詞にグッときてしまい、気づいたらYohji Yamamotoのオンラインストアを開いていた。そこで見つけたのが、今回買ったFLUFFY(S)というバッグで、まさに未完成さと非対称さを兼ね備えたバッグだった。元々宇宙的なものが好きで、それでカバンや小物はシルバーのものを好んで使うことが多かった。今まで使っていたバッグはシルバータイベックで作られたバッグ(というよりマスクケース)だったんだけど、使い込みすぎてシルバー部分が大部分剥げており、ちょうど新しいバッグを探していたところだった。今回購入したFLUFFY(S)はシルバーの箔加工がされた牛革で作られている。シルバーと革で本来はパキッとした印象になるところを、中綿をつめて縫いステッチを入れることで不思議な柔らかさを持った印象になっていて、そのチグハグさ(褒めている)にやられてしまった。これはたまたまだけど、普段持ち歩いているカメラも入れることができた(以前は入らなかった)ので、私用で外出する際は、これひとつ持っていけば良いという状態になったことが、地味に嬉しい。決して安い買い物ではなかったけれど、こういう出会いと、後先考えない自分の行動力が気に入っている。

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