個人Webサイトについて思うこと

はじめに

本サイトにアクセスするとまず分かるように、サイトのTOPページについてデザインを一新し、記事ページについても細かく手を入れた。前回サイトのデザインを一新したのは(記憶が正しければ)2020年とかだった気がするから、5年は変えずに使っていたことになる。気に入っていたからこそ5年もの期間、大きく変えずに使っていたわけだけど、_debrisを作ったことにも現れているように、個人Webサイトに対する考え方の変化があった。

執筆・公開環境について

2014年の本サイトスタート時から現在の2026年に至るまで、ずっとWordpress(CMS1)を採用していた。更新頻度は週に1,2回程度であり、出先での更新作業も皆無。Wordpressの管理画面で執筆を行っても気分が上がらないので、PCにインストールされているお気に入りのエディタ2を使って文章を書いていた。つまり、以下が実情となる。

  • CMSの恩恵をあまり得られていない
    • 編集者は僕一人
    • 自宅にあるPCで更新作業を行っている
    • 更新頻度も週に1,2回程度
  • Wordpressは外部のコンテンツ置き場としてしか機能していなかった
    • ローカルに分散して存在している文章・画像が、サーバーに集約されるかたちで蓄えられていたが、wordpressのexporterを使って良い感じにローカルに落とせるかというと、そうはなっていない
      • 文章はdumpされたDBファイルとなる
        • 人間が読むことを前提としたファイル形式ではないので、全く読めたものではない
      • 画像は圧縮・トリミングされる
      • 文章と画像の紐付きが分からなくなる
        • それぞれ別々にWordpress管理上の最適化が行われるため
  • Wordpressのエディタは使わず、Obsidian(以前はiA Writer)で執筆を行っていた
    • 執筆環境は基本ローカル
      • しかもここ数年はMarkdownで書いている
    • 手元の原稿(テキスト)をコピーし、Wordpressの記事編集画面にペーストしたうえで整形作業を行っていた
      • めちゃ面倒臭い
    • 記事プレビュー時にサイトテーマライクなstyleを当てて確認をおこなっていた3
      • 出来映えに満足はしていたが、違和感を覚えていた
      • よくよく考えるとローカルで完璧な状態にしつつ、その閲覧環境を外に向けて公開するという考えの方が自分には合っているのかもしれない
    • Obsidianを使って執筆するようになってから、原稿(文章)と画像が散在しなくなった
      • 全て1つのvault(フォルダ)内に保存されている
      • このシンプルなファイル管理構造が_debrisを作るきっかけの一つとなる
  • 原稿は全てmdファイル
    • サイト公開当初はWordpress管理画面で直に文章を書いていたが、いつのまにか手元のエディタにてMarkdown記法で文章を書くようになった
      • 今となってはもうMarkdown記法以外で文章を書く気がしない
      • Wordpress側にMarkdown記法をパースして変換してくれるプラグインを入れてなんとかしていた
    • Markdown記法で書いている時点で記事の基本的な構造を担保しているので、このままhtmlに変換したものを公開できれば・・・と思っていた
      • これも_debrisを作るきっかけの一つ

思い描いた理想像

_debrisの基本思想でも書いたけれど、次の内容が現状における執筆・公開環境の理想像となる

  • コンテンツの唯一の正はローカルに存在する Markdown(プレーンテキスト)である
    • “Get your stuff back.(自分のものを取り返す)” というお気持ち
    • 結局のところHuman Reachabilityを遵守するならFlat-file database4 的なものになる
  • ツールやフレームワークの寿命と、コンテンツの寿命を分離する
    • Obsidianは執筆・思考のための補助ツールであり、依存対象ではない
    • CMS的な管理画面、データベース、常駐サーバーは持たない
  • WebサイトはMarkdown資産の投影物であり、常に再生成可能であること
    • Webサイトとブラウザの依存関係ではなく、ファイルとビューワの依存関係
    • Obsidian CEOのSteph Angoがいう"File over app"5という思想
    • _debrisはそのための生成ツールとして設計・開発した
    • 軸足をインターネット上ではなくローカルに置くということ
  • 個人Webサイトを“メディア”として扱うのではなく、手元にあるドキュメントやファイルを閲覧できるようにするための“ファイルビューワ”として扱う
    • メディア然としたデザインは捨てて、ビューワとして簡素なデザインを徹底する
      • 公開したドキュメント/コンテンツについて均等に扱うことを徹底する
    • ビューワとして必要な機能をもたせる
      • コンテンツ(ファイル)一覧
        • 検索、ソート、フィルタ
      • コンテンツ(ファイル)詳細
        • ToC(table of contents)
        • 脚注やwikilink6

再構築

というわけで、リニューアル後の現サイトは、僕のPCにある(obsidianで編集した)mdファイルをそのまま公開したものとなっているが、この環境を構築するために、Wordpressに登録されている全ての投稿をmdファイルとしてローカルに保存し直す必要があった。wordpressからdumpしたファイルを良い感じに自動でmdにできないか?とも一瞬考えたが、上手くいく未来があまり見えず、結局生成チェックのために全ファイルに対して目を通す必要がありそうだと思ったので、毎日こつこつと手動でmdファイルに保存し直す作業を行った。とても地味で時間のかかる作業だったが、作業時間に比例して進捗するタイプの作業なので、全く苦ではなかった。また、wordpressの記事をmdファイルとしてローカルに保存するたびに、友達に貸していたゲームソフトが長い月日を経てようやく返ってきたような・・・そんな不思議な感覚を覚えた。

  1. content management systemの略。ウェブコンテンツを構成するテキストや画像などのデジタルコンテンツを統合・体系的に管理し、配信など必要な処理を行うシステムの総称 (wikipedia)
  2. iA Writer, Obsidian等
  3. Obsidian ≠ iA Writer
  4. フラットファイルデータベース - Wikipedia
  5. File over app — Steph Ango
  6. wikipediaがドキュメントとしてとても素晴らしく、wikipediaで表現されている要素は一通り実現することが重要だと考えた
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