magma proto

窓ガラスに張られた試作たち
Amsterdamのアクリル絵の具とリキテックスの艶ありジェルメディウムに落ち着いた
試しに額装してみたもの

年があけて2023年になった。せっかくのまとまった休みなので、今までやろうやろうと思いつつも先延ばしにしていたことに取り掛かろうと思った。お風呂に長々と浸かりながら色々と考えた結果、もともと印刷用に買った透明フィルムにアクリル絵の具で熊を描こうと思いついた。画材ボックスを引っ張り出してきて、手にとったのは黒と蛍光オレンジのアクリル絵の具だった。筆が汚れるのが嫌だった(?)ので、フィルムに絵の具を置いてから指でぐいぐいと絵の具を動かして絵を描いた。結局指が汚くなったので洗う手間は変わらないな…なんて当たり前のことに気が付きつつも、出来た絵は自分好みのものだった。ここ数年ひたすら取り組んでいるコンピューターアートでは上手く表現できなかった素材が持つ立体感や、想定外のディティールが、指で絵の具を動かすだけで自然に生まれてくれるので、一人感動しながら悦に浸っていた。

何度も何度も指で絵の具を動かすうちに、自分の表現したいものが見えてきたので、メディウムなるものを買い足した。これは絵の具に混ぜ込むことで艶と立体感を保ってくれるものらしい。(絵の具だけでは艶や立体感は乾燥とともに失われてしまう)これで質感はイメージに近いものを表現できるようになったが、立体感が維持されるようになったことで、絵の具の置き方や指の動かし方ひとつで、絵の印象がガラッと変わるようになった。また、この絵は蛍光オレンジを使っているので、環境光によっても見え方が大きく変化する。(とくに青っぽいLEDだとオレンジが綺麗に立ってくれるようだ)

こと作品作りにおいて、ああしてみたらどうだろう、こうしてみたらどうだろうと色々試したくなるのは随分と久しぶりのことで、自分の中の小学生の自分が毎日大はしゃぎしている。(自分の中の30代の自分は片付けが面倒くさいので嫌がっている)

あと何枚描いたら満足するのか全然検討もつかないけれど、納得がいくまでひたすら熊を描き続けたいと思う。

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