Nighthawks

トム・ウェイツの『Rain Dogs』を聴きながら、エドワードホッパーの『Nighthawks』に想いを馳せる。『Nighthawks』は、深夜の人気のない食堂に特に会話もなく佇むカップルと、そこから距離をとり背を向けて一人座っている男が描かれた、エドワード・ホッパーの代表作だ。この絵を観る時、僕はどうしても背を向けて一人座っている男に、自分を重ねてしまう。そして、深い孤独感と不思議な安心感を覚えるのだった。

唐突だが、孤独とはなんだろうか。それは自分の輪郭を認識する瞬間なのかもしれないし、自分の輪郭を認識する際に必要な儀式なのかもしれない。孤独が先にあるのか、後から来るのかは分からないが、自分という存在と常にセットで存在しているものだと感じている。

社会やコミュニティしいては他者と接続するとき、自身の輪郭はひどく曖昧なものになる。それはときに大きく、あるいは過剰に自己を小さく投影したりする。その不一致が、ジリジリと心を蝕んでいく。だからこうやって時折孤独に身を置き、孤独を通して自身の輪郭をなぞることで、正しく自分の輪郭を把握する必要があるのだ。

『Nighthawks』の彼はこの先も決してこちらを振り向くことはない。彼がどんな表情をしてそこに座っているのか、誰も知ることはできない。けれど僕は、彼が静かな笑みを浮かべて一杯やっている。そんな気がしてならない。